第56回
あなたのすごい「力」使いこなしていますか?
感謝のすごい力
ハーバード大学のラザー博士の研究によると
10年近く感謝を習慣づけていると
脳の「前頭前野」の厚みが
0.1ミリ増えるということが分かっています。
これは一年に換算すると脳細胞が
活性化され
約1000万個が増えているということです。
脳の前頭前野というところは
人が人らしい働きをする場所を司っています。
思考力、判断力、注意力
企画力、創造力、計画力
自己コントロール力、コミュニケーション力に
影響を与えています。
この前頭前野の機能が低下すると、
意欲がなくなったり、怒りやすくなったりします。
怒りや、悲しみ、不機嫌さ、ストレス、
加齢の影響により脳は萎縮を始めます。
脳の前頭前野の働きを
活発にさせる方法があるのです。
それが、
身体で感じる「感謝」です。
この感謝の機能で
脳は、身体や心にとって活発に働いてくれるようになります。
そして、メンタルにも素晴らしい影響を
もたらすことが分かっています。
カリフォルニア大学のデイヴィス博士の実験
デイヴィス博士は、200人程の学生を集め、3つのグループに分けました。
:1つ目のグループには、「小さなことでも大きいことでも感謝できることを見つけて日記を書いてください」と伝え、
:2つ目のグループには「不満を日記に書いてください」と伝え、
:3つ目のグループには、「出来事を日記につけて下さい」と指示しました。
2ヶ月半ほど日記をつけた結果、
毎日感謝の気持ちを書き続けたグループの学生たちは、
心の状態も改善され、運動機能が向上し、
人間関係も更に良くなりメンタル的に安定したと答えました。
★★
私はクライアントさんに
感謝ノートを付けることを勧めています。
実際、感謝ノートを付けている人と、
そうで無い人の違いは、会話で分かります。
書き始めて3ヶ月から半年頃から、変化を感じます。
言葉も変化します。
物事を見る視点も変化していくので、前向きに行動し始めます。
頭痛の軽減、体調改善でご自身も自覚される人もいます。
感謝すると得られるすごいこと
先ほど説明した実験の他に
人生の全般の幸福度が約25%もアップし、
健康状態も向上するので、
9,4年長生きするという報告もあります。
脳内エンドルフィンが高まるため、
免疫力が上がり病気になりにくくなります。
継続は力なりという言葉もあります。
感謝を続けることで色々な相乗効果が起きてきます。
すでに日記を書かれている方もいらっしゃると思うのですが、
感謝を綴る日記は特におすすめです。
日記の効果として
1 自分を客観視する力がつく
2 自分自身を振り返ることができる(成長を知る)
3 自尊心が高まる(自己受容力)
4 記憶力の向上
5 思考の安定(感情の安定)
などです。
日記を習慣づけている方は
きっと効果を感じているのでしょう。
★★
鏡を見たら自分の姿が分かります。
顔に異物が付いていたら、鏡を見たら取り除くことができます。
自分の感情や心と向き合っていると内面が分かってきます。
感情や心の状態分かってくると、
自然に良い状態に保とうとしていきます。
書店などで販売されている3年日記や5年日記は
毎年同時期の自分を思い出すことができるので、特におすすめします。
§§
緊張する時ほど、苦しい時程、感謝してみる
会社でのプレゼンテーションで緊張する時、
仕事で失敗し叱られてしまった後、
病気になってしまった時、
大切なものを失くしてしまった時など・・・
そういう時にこそ
「今、この瞬間にラッキーなことは何だろうか」と、
自分に聞いてみて下さい。
感謝できることや、ラッキーなことを探すのです。
緊張してしまう場面や
特に落ち込んでいる時は、
自分の思考に囚われてしまい
客観的に自分を見る力が失われてしまっています。
そういう時こそ「感謝」できること
「ラッキー」なことに目を向けてみるのです。
不安定な感覚から、
足元がしっかりとしていく感覚に変わることがあります。
人に感謝する時は、「ありがとう」と言います。
この有難うという言葉、
「難」が有る
と書きますね。
自分が「難」と感じることが
有るということは、
実は、感謝できることがあるということなのです。
今、不安や不満があれば
それに対して、5つ程考えましょう。
さらに紙に書いてみることをおすすめします。
§§
「ありがとう」を言っているのに効果が無い
それは、反動形成(本音とたてまえという考え方)や
自己矛盾という状態がおきています。
嫌いな人なのに
本音を押し殺し
好意的に振る舞うことは無いでしょうか?
本当はしたくないことを
人の目を気にして
大丈夫なふりをして行動していることはないでしょうか?
無意識的に抑圧されている感情が、
意識している反対側の行動にあらわれるます。
心の中で怒りや苦しさ、悲しさでいっぱいなのに、
「ありがとう」という気持ちを言ってしまうと、
自分に嘘をついている状態ですので、
逆にストレスになってしまいます。
無理に感謝をするのは返って逆効果になりますので
自分の心に正直になる必要があります。
しかしながら、長年そのパターンで生きてきているので、
「心に正直になる」という方法が
分からないということがあります。
(カウンセリング・コーチングを是非受けてみて下さい。)
日々のタスクや仕事、
人間関係、コロナの影響で
ストレスの多い状況下の中で
「いきなり「感謝」がいいよ」と
とって付けたように言われても
「はい、そうですか」。と、
簡単に受け入れることは難しいかもしれません。
しかしそういう時こそ
未来の自分の為に
「感謝」を
心に留めて行動していくことで
望ましい未来が創られるように思います。
2021年、新たな年
心の想いを伴った「感謝のすごいパワー」を味方にし、
更なる素敵な一年を創造しましょう。