距離と位置と境界線(パーソナルフィールド)で人との関係は楽になる。

オフィスイズでは、距離感と境界線を整えることと同時に愛着(AD)と境界線を整えるカウンセリングやセミナーも行っています。

 

生きづらさを感じている人はこちらも参照してください

 

人との距離感はどうですか?

人は、自分の場(フィールド)を感じています。「パーソナル・フィールド」と言います。 

適切な距離を保つことは、相手を尊重することにもなり、自分を守ることにもなります。

【距離感】

距離感はどのパターンですか? 

①「相手」との距離が遠い。「人との関係で傷つきたくない」「信頼できない」「自分ひとりでなんでもやってしまう」人を回避する傾向

②「相手」との距離が近いため不快。「ノーが言えない」「自分より相手を優先」「マウントされる」「自分で決められない」人に依存する傾向

③「適切な距離感」を持てる。「YES」「NO」を言えるようになる。「価値観が一緒」「信頼できる」「尊重できる」傾向

 

カウンセリングでは親子との距離感/境界線など可視化することができます。

 どのように自分のフィールドを守っていくのかや、整えていくことを行っていきます。

ブログ

【人間関係は境界線と距離感と位置】で整っていく

「境界線ってどういうものなのか」

 

こんなことないですか?

 

□人に嫌われることが極端に怖い

□自分が嫌い

□頑張っているのにいつも辛い

□自分で決められない

□責任にされることが怖い

□周りの人の機嫌(不機嫌)が気になって仕方がない

□人に搾取されやすい

□都合よく使われてしまう

□相手に影響されやすい

□少しのことで傷ついてしまう

□他人の言動が気になって仕方ない

□自分がどうしたいのかが分からない

□自己犠牲をしてしまう

□気持ちと反対の言葉を言ってしまう

□おせっかいをしてしまう

□メサイヤ的「私がなんとかしてあげないと」と思ってしまう

□自分の感情がよく分からない

□相手によって態度が変わる

□人との信頼関係が築けない

□人が怖い、世の中が怖い

□引きこもってしまう

□家族間での争いが絶えない

□マウントを取られがち(またはマウントしてしまいがち)

□約束を守れない

□内緒話をすぐバラしてしまう(信用を損ねる)

□夫が怖い(または妻が怖い)

□HSP□エンパス

□いつのまにか人に嫌われている(離れて行ってしまう)

□見栄を張ってしまう

□人に謝ることができない(負けたくない)

□人にいつも謝ってしまう(負けてもいい)

□人にいつも言い訳してしまう(叱られるのがいや)

□何をやっても無駄だと思う

□親の顔色が気になって仕方がない

□子どもを見るとイライラする

□依存症がある

 

これらは「境界線」の問題が関わっています。

 

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「境界線」って何?

 

簡単にいうと、「自分の責任」と「他人の責任」のあいだの線引きです。

 

たとえば、

 

  • どこまでが自分の考えるべきことで、

  • どこからが相手の課題なのか?

 

この線があいまいになってしまうと、人間関係で摩擦や誤解、ストレスが生まれやすくなります。

 

物理的な土地には境界線がありますよね。「ここから先は隣の人の土地」と分かっていれば、勝手に踏み込むことはありません。
でも、心の境界線は目に見えないからので、分かりにくいんです。

 

無意識のうちに誰かの心の領域に入りすぎてしまったり、逆に侵入されたりして、苦しくなってしまうことがあるのです。

 

 


 

 

境界線は「壁」ではありません

 

よくある誤解ですが、境界線とは「人と距離を取る」「関係を断つ」ためのものではありません。

 

むしろ、お互いを大切にしながら関わるために必要なものです。
自分を守るだけでなく、相手を尊重することにもつながっていきます。

 

私たちは、学校や家庭で「境界線の引き方」を学んでこなかったことがほとんどです。
だからこそ、「我慢すればうまくいく」「仲良くしなきゃ」と教えられた結果、本当は嫌だったことにも「いい顔」をしてしまったり、
自分の気持ちを後回しにしてしまうクセが身についているかもしれません。

 

 


 

 

「生きづらさ」の正体は、境界線があいまいなことかもしれません

 

誰かの顔色をうかがいすぎたり、「自分の感情がわからない」と感じたり、人間関係で繰り返し悩んでしまう…。

 

そんなときこそ、「境界線」という視点が、あなたの毎日をラクにしてくれるヒントになります。

 

「どうして私は、いつもこんなふうに悩んでしまうんだろう?」その答えが、「境界線」に隠れているかもしれません。

 

まずは、知ることから始めてみませんか?

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

まずは、自分の境界線を意識することから始めましょう。

「これは私の課題?それとも相手の課題?」
「私は本当は、どう感じているんだろう?」
「この感情は、自分のもの?それとも相手の感情を引き受けてしまってる?」

 

そんなふうに、一つひとつ丁寧に見ていくことで、少しずつ自分の輪郭がはっきりしてきます。

心の境界線は、目に見えないけれど、意識するだけで、驚くほど人間関係が変わっていきます。

 

傷つかないために壁をつくるのではなく、「線」を引くという選択

私たちは、過去の経験から「人に心を開くのは怖い」と感じていることがあります。

親や先生との関係、友達とのトラブル、家庭での辛い体験…そうした記憶が「もう傷つきたくない」という思いを強くし、心に高い壁をつくってしまうこともあります。でも、本当に必要なのは「壁」ではなく、「境界線」なんです。境界線があれば、無理に距離を詰めたり、我慢したりしなくてもいい。
自分を守りながら、安心して人とつながることができるのです。

 

「優しさ」と「自分を大切にすること」は、両立できます

相手の気持ちを思いやるあなたは、きっととても優しい人です。でも、その優しさが「自分を犠牲にすること」と結びついてしまっているとしたら?

それは、もう苦しさになってしまいます。本当の優しさとは、自分のことも、相手のことも、どちらも大切にできる境界線の上に成り立つものです。

 

まずは「自分の感情に気づくこと」から

「嫌われたくないから断れない」
「相手が怒ったら、自分が悪い気がする」
「でも、本当はつらいし、苦しい」 

 

そう感じる瞬間があったら、その気持ちに「気づいてあげること」が第一歩です。感情を抑え込まず、ちゃんと受け止めてあげることです。
そこから、自分を尊重する感覚が少しずつ育っていきます。

 

一緒に、あなたらしい「ちょうどいい距離感」を見つけませんか?

人と関わるって、本当はあたたかくて、安心できるもの。でも、それには「自分を大切にすること」が土台にあることが必要です。

今、あなたが感じている生きづらさや人間関係のモヤモヤは、境界線を整えることで変わっていきます。

大丈夫。あなたの心に、必要以上の壁をつくらなくてもいいんです。少しずつ、一緒に整えていきましょう。

 

 

境界線講座「セーフ&バウンダリー」
――自分を守りながら、人とつながる力を育てる

生きづらさを感じる背景には、自分」と「他人」の境界線が曖昧になっていることが、少なくありません。

この講座では、自分の心と体を安全に守りながら、人との健やかな距離感を築くための「境界線」について、
心理学的な視点と体感ワークを通して学びます。

 

✔ 人の顔色ばかり気になって、自分の気持ちがわからない
✔ 頑張っても満たされない
✔ 怒りや不安にふりまわされてしまう
✔ 人と関わるのが怖い、でも本当はつながりたい

そんな方にこそ受けていただきたい内容です。

境界線は、誰かを拒絶するためではなく、自分も相手も大切にするためのもの

 

知識だけではなく、日常で「使える感覚」として身につけていくことで、あなた本来の心地よい人間関係と、安心できる生き方が始まっていきます。

受講生の声はこちらから

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【本来の境界線の目的は、あなたを守るもの】

傷つくことを避けるために、私たちは「境界線」を引く

 

「人と距離をとるなんて冷たい人みたい…」そんなふうに、境界線を持つことに罪悪感を感じる方は多いかもしれません。

けれど本当は、境界線は、あなた自身を守るために必要なものなのです。

たとえば身体も、ウイルスが入ってくれば熱を出して守ろうとしますよね。それと同じように、心にも“守る力”が備わっています。

実際に、私たちを利用しようとする人や、傷つけてくる人もいます。
でも、そういった人ばかりではなく、あなたを本当に大切に思ってくれる人も、きっといます。

 

ハーバード大学の75年にわたる研究でも明らかになったのは、人の幸せは「良い人間関係」によってもたらされるということでした。

地位でも、お金でも、名誉でもない――本当に人を幸せにするのは、「人とのつながり」だったのです。でももし、今あなたが「人といるのに苦しい」「つながるのが怖い」と感じているなら、その関係性を、境界線を通じて見直していくタイミングかもしれません。

 

過去の私は、同じ意見をくれる人、心地よい言葉だけをくれる人ばかりを求めていました。まるで「裸の王様」のような状態ですよね。

境界線について学んだことで、本当に私を大切にしてくれる人は、「NO」と言ってくれたり、私の意見とは違っても、ちゃんと尊重してくれる人なんだと気づけたのです。以前は、違う意見に触れるたびに「どうして理解してくれないの?」と相手を責めてしまっていました。
それこそが「生きづらさ」の正体だったのだと気づきました。

 

「私は私」「あなたはあなた」でいい

恐怖や不安で心がいっぱいだった頃の私は、人からの優しさや、承認、賞賛にずっと飢えていました。

だからこそ今、本当に大切にすべきは――自分自身の心の領域を、安心で満たすことだと心から思います。

・自分の「嫌だ」を伝えても、受け止めてくれる人
・好きなものや心地よいものに囲まれる時間
・「違い」があっても、お互いを尊重し合える関係

それが、あなたらしく人生を歩むための土台になります。

 

「わたしの境界線ってどこなんだろう」
「もっと楽に人と関われるようになりたい」

境界線を整えるための個別サポートも行っています。

 

一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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『相互依存』の大切さ

 

生きるということは、他の人を必要とすること

人はひとりでは生きていけません。
生きるということは「相互依存」誰かと支え合いながら生きること

でも、自分の心を守ろうとして人との関わりを避け続けると、人生はどんどん「ハードモード」になってしまいます。

「ライトモード」が生きやすいですよね!

 

自分の気持ちを、きちんと伝える人に

自分の中にある

  • 何を大切にしているか

  • 何に価値を置いているか

  • どんなことはしてほしくないか

こうした思いや考えを、自分で理解し、相手にきちんと伝えていくことが大切です。

 

自分の「望み」がわからないという人もいます

長い間、誰かに心の領域を踏み込まれてきた人は、自分が何を望んでいるのか、分からなくなってしまうことがあります。

たとえば――

  • 親の言うことをずっと優先してきた

  • 周囲が先回りしてなんでもしてくれた

  • いつも「周り優先」で過ごしてきた

そんな経験を積み重ねるうちに、「自分の気持ちって何だろう?」と迷ってしまうんですね。

 

だからこそ、境界線が必要です

まずは、あなたが嫌なこと・好きなことをはっきりさせて、自分自身の境界線を整えていくことです。

そうすることで、他の人も「あなたがどんな人か」「どんな価値観を持っているか」が分かり、より良い関係を築くことができるようになります。

 

関係が壊れることがあるかもしれません

いままで我慢して言えなかったことを、初めて言葉にしようとすると、時には、相手との関係が揺らぐことがあります。

「そんなふうに思っていたなんて…」と、反発されたり、離れていく人がいるかもしれません。それは、とても怖いことかもしれません。

しかし、あなたが本当の自分で生き始めるための通過点です。

 

等身大の自分/自然な自分っていいですよね?

誰かに合わせて、自分の意見を押し殺して付き合っている関係は、残念ながら“本物のつながり”ではありません。

本当のつながりとは、
あなたという人が「どんな人か」が伝わったうえで、
それを受け入れてくれる関係
です。

  • 何が好きで

  • 何が嫌いで

  • どんな個性や強みがあるのか

 

それが周囲に伝わっていくことで、あなたに必要な人、あなたと共感し合える人が自然と集まってくるのです。

 

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大切にしたい「あなたのいる場所」パーソナルフィールド

 

パーソナルフィールドとは

「パーソナルフィールド」とは、あなたが存在する場所です。
あなたの心や感情が広がっている空間のことです。

この世界の主人公は、あなたで、すべては「あなた」から始まります。

 

パーソナルフィールドをイメージしやすく言えば、
あなたの存在の空間です。 
そこに誰かが無言で入り込んでくると、怖かったり、不快になります。

実際の空間は目に見えるので分かるのですが「心」の中の空間は目に見えないので、
境界が曖昧になりやすいのです。

 

たとえば、あなたが大丈夫でも、相手にとっては不快だったり、
逆に相手が平気でも、あなたにとっては苦痛だったりするのです。


人間関係のトラブルは、この“感じ方の違い”から生まれることが多いのです。

パーソナルフィールドは、あなたと共に常に動いています。

空間によって大きくなったり、小さくなったりします。


たとえば、バスで誰も座っていないのに、真横に人が来ると不快に感じますよね。この「距離感」や「空間の心地よさ」が乱されると、自然と感情が動きます。
つまり、パーソナルフィールドはあなたの「感情」に深く関係しているのです。

 

 

あなたが「イヤ」と思っているのに、笑顔で「大丈夫ですよ」と言うと、自分のフィールドへの侵入を“許可”してしまっているのです。

こうした小さな“我慢”の積み重ねが、あなたの「生きづらさ」の正体のひとつです。

 

「人に優しくしなきゃ」「仲良くしなきゃ」「嫌われたくない」そういった思いが強い人ほど、自分の気持ちを押し込める傾向があります。

特に日本では、「自分より相手を優先する」ことが美徳とされてきました。その結果、自分の心に“線”を引くことが難しくなっているのです。

でも、あなたがもっと生きやすくなりたいなら、必要なのは「心で線引きすること」です。
「私はこう思う」と相手に伝えること。そして、適切な「距離」を保っていくことなのでうs。

 


【あなたから始まる6つのフィールド】

あなたの人生には、次のような“6つのフィールド”があります。

  1. あなた自身のフィールド(第1)
     ここがすべての起点。あなたの心、身体、思考、感情の領域です。

  2. 家族・親しい人とのフィールド(第2)
     深い関係性があるからこそ、境界線が曖昧になりやすい領域です。

  3. 近隣・学校・地域など、選べない関係のフィールド(第3)

  4. 自分で選んだコミュニティのフィールド(第4)
     趣味のグループやSNS、学びの場など。選択可能な領域です。

  5. 仕事のフィールド(第5)
     役割や責任が発生する領域。ここでも境界線がとても重要です。

  6. まだ出会っていない人、未知の世界のフィールド(第6)

 

悩みの多くは「人間関係」から生まれます。親・兄弟・パートナー・職場の人間関係・地域コミュニティ…。
そして、多くの人は②〜⑥の他者との関係に悩み、「相手を変えたい」と願います。でも、相手を変えることはできません。
なぜなら、相手もあなたと同じように、「コントロールされたくない」と思っているからです。

だからこそ、まず向き合うべきは「あなた自身」。あなたのパーソナルフィールドの領域を守り、整えることから始まります。

 

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家庭での境界線

 

家族の中での境界線― 第2フィールドを整える ―

家庭という場は、私たちがもっとも長く、もっとも近い距離で関わる人間関係の集まりです。
特に「親と子」「夫婦」など、同じ空間で過ごす相手との間では、境界線の意識がとても重要になります。


家族の責任、誰が担っている?

近年では「ワンオペ育児」や「家事の偏り」など、家庭内の役割分担が偏っているケースが増えています。
たとえば――

  • 夫の役割まで妻がすべて担ってしまう

  • 夫婦で協力すべきことを、一方がすべて抱え込んでしまう

  • 親がすべきことを、子どもが代わりにやってしまう(例:親の世話、きょうだいの面倒)

  • 子どもができることを、親がすべてやってしまう(例:片付け、身支度など)

「本来、誰の責任だったのか」が曖昧になります。境界線が引かれていない家庭では、やがてトラブルや不満が積み重なっていく可能性が高くなります。


子どもの成長と「境界線」=愛着

 

赤ちゃんは、生まれた直後からしばらくは「共生関係」にあります。つまり、母と子が一体のような感覚で過ごします。言葉を持たない赤ちゃんにとっては、親が「泣き」や「仕草」から気持ちを察し、応えることが必要です。この時期に、子どもは変わらない愛情に包まれ、「安心感」や「愛着」を感じながら、少しずつ自立への土台を築いていきます。イヤイヤ期は、境界線の第一歩「イヤ!」「ちがう!」「じぶんで!」そんな言葉が増えるイヤイヤ期。
これは、母子一体から離れていく自然なプロセスです。子どもが「NO」と意思を示し始めるのは、自分という存在の輪郭=境界線を意識し始めている証拠です。この時期は、自己を確立していくための大切なステップです。

(もうすでに成長している場合は「イヤ」を言える環境づくりと、「イヤ」を言える人との時間を過ごすことが大事です。)

 

 

「責任」を渡すこと/境界線とは責任を表すのです。

3歳以降になると、子どもは言葉で意思疎通ができるようになります。この時期からは、自分でできることを少しずつ任せていくことが大切です。

たとえば:

  • 遊んだおもちゃを片付ける

  • 自分の服を整理する

  • 身の回りのことを自分で準備する など

自分でやったことには、自分で責任を持つこと。これは子どもが社会性を身につける上でも、非常に大切な経験です。

「面倒なことは親がやってくれる」と認識させてしまうと、やがて子どもは、周囲の人を「都合の良い存在」と見なし、
わがままな行動や自己中心的な態度を取りやすくなります。

 

愛情をもって、しっかりと向き合っていきましょう。大切なのは、頭ごなしに叱ることではなく、
愛情をベースにしっかりと向き合い、言葉で伝えることです。

  • 「今から大事な話をするね」

  • 「ちゃんと目を見て聞いてね」

  • 「座って落ち着いて聞こうか」

こんなふうに、姿勢と言葉を一致させて伝えていくことが、子どもの心に届く関わり方です。

(もし、このように対応できない場合は、ご両親がまず自分を癒すことが優先です。)

 

それが家庭内の境界線を育てることにもつながります。

甘やかすことと、愛情を注ぐことは違います。子どもの望みをなんでも叶えることは、子どもを幸せにしているようで、実は成長の機会を奪っているのです。

子どもを不幸にする一番確実な方法は、
子どもが欲しがるものを何でも与えてやることだ。―― ルソー ――

 

家族というフィールドが安全で、なおかつ境界線が築かれていると、子どもは外の世界――学校や社会――でも、

他人と健やかに共存する力を自然と身につけていきます。これは将来、依存的な関係や“パラサイトシングル”のような状態を防ぐことにもつながるのです。

家庭は、心を育てる最初のフィールドです。家族の中で「ちょうどいい距離感」を育てていくことは、子どもにも、大人にも、かけがえのない支えになります。

 

 

何度言っても相手に伝わらない 

 

「何度言っても変わらない」そのとき、どうしていますか?

子どもに対して
夫に対して
同僚や部下に対して——

相手のやるべきことを、あなたが代わりにしていませんか?

たとえば、

  • 子どもが遅刻しないように毎朝起こす

  • 脱ぎっぱなしの靴下を片付ける

  • 部下に任せた仕事を、つい自分でやってしまう

そして、気づけば
「なんで私ばっかり…」
そんなふうに、イライラしたり、怒りが湧いたりしていませんか?

いくら伝えても、相手が変わらない。
それは、相手との関係性だけでなく、「境界線」の問題が関わっていることがあります。

 

境界線とは、「責任」の所在を明確にすること

その人の領域のことは、その人が責任をもって行う。それが、健全な関係性の土台です。

あなたは、ご自身のカバンを他人に管理させたりはしませんよね?
誰かとの関係が悪いからといって、自分のカバンを忘れてもいいわけではないのです。

「忘れた」なら、「自分の責任」です。これは、人との関係にも言えることです。

 

「言っても変わらない」の裏側にあるもの

相手が変わらない理由は、「それが自分の責任だ」と認識していないからかもしれません。

たとえば、子どもが遅刻し続けても平気なのは、「母親が起こしてくれる」という前提があるからです。

そして遅刻しても、「起こしてくれなかったから」と、人のせいにする。
それはつまり、自分のことに他人が責任を負っている構図なのです。

 

「伝えること」「助けること」を一度やめてみよう!

 

もし、何度言っても変わらないなら、いったん伝えるのをやめてみませんか?そして、助けるのもやめてみましょう。

なぜなら、人は「結果」を体験することで責任を学びます。

遅刻をしたら困る、恥ずかしい、間に合わなかった——そうした体験を通して、「ああ、自分で起きなきゃ」と、本人の中で気づきが生まれます。

これは「突き放す」のではなく、相手の成長を信じて見守ることです。

 

境界線を教えていくことは、優しさです。境界線があやふやだと、社会に出た時に「責任」が持てず、適応できなくなります。

自分の責任を、自分で引き受けられるようになると、人のせいにすることが減り。そして自然と、人との関係も良くなり責任を果たせるようになっていきます。「これは、誰の責任なのか」「自分がやるべきことなのか、それとも相手のことなのか」境界線を整える第一歩になります。

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社会に適応できない/親から離れられない

 

 

「親から離れられない」?

 

〜家族との心地よい距離感を考える〜

 

 

「私と娘(息子)は、まるで姉妹のように仲がいいんです」
そんな親子関係に、憧れを抱く方も多いかもしれません。

 

かつての私もそうでした。
親に大切にされ、甘えられる関係があるなんて素敵だな、と。

 

でもその“仲の良さ”にも、実は健全なものと、不健全なものがあることをご存知でしょうか。

一見、理想的な家族。でもそこに「境界線」がなかったら?

 

経済的には自立できる状態なのに、ずっと親と同居している。

 

仲の良い家族でありながらも、どこか息苦しさを感じる——

 

そんな家族は、心理学では「纏綿家族(てんめんかぞく)」と呼ばれることがあります。

 

この関係は、一見穏やかで問題がなさそうに見えても、感情的なつながりが強すぎて、子どもが自立できない状態になっていることが多いのです。

 

このようなケースでは、「永久未成年症候群」と呼ばれるような心理状態が起きることもあります。

 

家族との境界線があいまいだと、何が起こるのか

 

子どもは成長しても、
・自分の意思が分からない
・恋愛や進学、就職など人生の大きな選択ができない
・常に親の顔色をうかがってしまう
そんなふうに、自分の人生を生きにくくなっていきます。

 

自分のアイデンティティが確立されないまま社会に出ると、周囲の刺激に敏感に反応し、傷つきやすく、適応が難しくなっていく——

 

これはまさに、「心の引きこもり」状態です。
外に出られないのではなく、自分の内側に境界線がないために、社会と健やかにつながることが難しくなってしまうのです。

 

「親が嫌」と言いながら離れられない理由

 

中には、「親のことは嫌い」と言いながらもなぜか離れられない人がいます。

 

それは、親の期待や感情を優先して育ってきた結果、自分で物事を選択する力が育ってこなかったからかもしれません。

 

林真理子さんは、こんな言葉を残しています。

 

「若い頃は娘に早く幸せになってほしいと思っていた。でも年を重ねると、娘を手放すのがつらくなってしまう」

 

年老いた親の生活は、子どもによって成り立っている場合もあります。
そして、子どもが自立しようとすると、こう言われるのです。

 

  • 「お母さん一人になっちゃうじゃない」

  • 「どうしてそんなに冷たいことを言うの?」

  • 「○○さんちは、毎日電話してるそうよ」

 

あるいは、「お金は出すから」と金銭的な支援を通じて、関係を繋ぎとめようとする親もいます。

 

親に境界線を引こうとすると、罪悪感が押し寄せてくるかもしれませんが、それでいいのです。

 

それは、親と自分の間に「境界線」ができている時でもあります。

そして、もうひとつ誰も、あなたに罪悪感を「与える」ことはできません。

それは、あなた自身が「受け取ってしまっている」だけなのです。共感は大切です。

でも、「共感=言いなりになる」ではありません。

 

親の気持ちは親のものです。あなたがそのすべてを引き受ける必要はありません。

 

 

 

罪悪感になるなら、心理的な距離を取る/物理的に離れて暮らす/第三者の機関に相談する

 

そうした選択も、時には必要です。「自分が頑張ればなんとかなる」と思いすぎないでください。

 

健やかに生きていくためには、「頑張らない」という選択肢も大事です。

 

 

でも、やっぱり境界線は抵抗がある…そう思う人へ

 

境界線を引くのは、冷たいことじゃない

〜「親しき仲にも礼儀あり」の本当の意味〜

 

「境界線を引く」と聞くと、まるで人と壁を作るようで、なんだか寂しく感じる…

そんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。

「正直に、素直に、全部を相手に伝えたい」
「大切な人にこそ、心のすべてを知ってほしい」

そう願う気持ちも、よく分かります。

でも、ちょっと想像してみてください。

 

すべてが透けて見える「ガラス張りの家」に住みたいですか?

たとえば、全ての部屋がガラスでできていて、外からも中からも、丸見えの家。

一見、開放感があっておしゃれに見えるかもしれませんが、実際に住むとなると…ちょっと落ち着かないですよね。

どれだけ仲の良い家族でも、トイレやお風呂が、スケスケって、イヤですよね…

どんなに信頼していても、大好きな相手でも、「見せたくないところ」や「一人になりたい時間」はあるのです。

だから、境界線は、壁ではありません。「尊重する領域」の目印です。
「あなたはここまで」「私はここまで」とするものです。

それは決して、
・冷たいことでも
・隠し事でも
・距離を取ることでもありません。

むしろ、相手との関係を長く、心地よく続けていくための工夫なんです。

 

透けすぎた壁では、お互いが疲れてしまう時に、相手に見せすぎてしまって気を遣わせてしまったり、

自分自身が「もっと見せなきゃ」と無理をしてしまったり、大切なのは、「どれだけ見せるか」ではなく、
**「どれだけ安心して過ごせるか」**ではないでしょうか。

「親しき仲にも礼儀あり」この言葉は、決して距離を置けということではなく、
**「相手を大切に思うなら、境界線も大切にしようね」**というメッセージなのだと思います。

境界線を引くということは、自分を守るだけでなく、相手に安心感を与える優しさでもあります。

境界線に抵抗があるあなたも、「これは“冷たさ”ではなく“思いやり”なんだ」と、少しずつ受け入れていけるようになったら嬉しいです。

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距離感で分かる「愛着障がい」

 

「生きづらさ」は、人との距離感にあらわれます。

 

たとえば――

■ 人との距離をなるべく保ちたい人
■ 人が近づいてくると、落ち着かなくなる人
■ 頼るより、自分一人でなんとかしようとしてしまう人

このような傾向がある方は、「愛着の回避型」である可能性があります。
人との関わりに疲れやすく、できれば距離を置いていたい…そんな思いが背景にあるかもしれません。

似た特徴として「アスペルガー症候群(ASD)」と見られることもありますが、ASDは先天的な特性であり、愛着スタイルとは背景が異なります。とはいえ、周囲からの理解が得られにくく、誤解されやすいという共通点もあります。

 

一方で

■ 誰かと一緒にいないと不安になる
■ 初対面でもすぐに親しくなりたくなる
■ 人からの反応に一喜一憂しやすい
■ 少しでも違和感があると、急に関係を切ってしまう

このような傾向のある方は、「愛着の不安型」にあてはまるかもしれません。
不安を埋めるために人との距離を縮めようとしますが、それがかえって関係を不安定にしてしまうこともあります。

ADHDと似た面をもつ場合もありますが、不安型の愛着スタイルであれば、環境や関係性によって変化・改善していくことが可能です。

 

もし、自分の傾向に気づいたら

【回避型の方へ】
無理せず心地よい距離でいられる人と、少しずつつながってみましょう。
たとえば――
・いつも変わらぬ態度で接してくれる人
・あなたの考えを尊重してくれる人

「近づきすぎず、離れすぎず」。心が少しずつ安心できる距離感を育てていくことが大切です。

【不安型の方へ】
不安が強いと、つい相手に求めすぎてしまうことがあります。
だからこそ――
・物事を客観的に見られる人
・安心できる居場所や存在
・あなたの気持ちに耳を傾けてくれる人

そんな人との関係を、「ほどよい距離感」で築いていくことが鍵になります。


親との関係が「良かった」「悪かった」にかかわらず、私たちは誰しも、回避型や不安型の傾向を持つことがあります。
それが「生きづらさ」の一因となっていることも少なくありません。

たとえば――
「あたたかさ」を求めて南へ進んでいくと、やがてたどり着くのは極寒の“南極”。
「クールさ」を求めて北を目指せば、“北極”に行き着きます。

どちらも一見違うようでいて、極端に進むと似たような苦しさに出会ってしまうのです。

親が優しすぎても
厳しすぎても
良いことばかりを求めても
悪いことを恐れすぎてもどちらか一方に偏りすぎると、生きづらさは深まってしまいます。

 

本当に大切なのは、「ちょうどいい場所」。
それは、あなたのその時々の環境や心の状態によって変わっていきます。

だからこそ、どちらにもバランスよく動けるような「柔軟な自分」を育てていけるといいですね。
その力が、きっとあなたの人生に「安心」と「自由」をもたらしてくれるはずです。

愛着の問題については、特に幼少期から小学生になる前までの影響が関係していると考えられています。

 

人との境界線(距離感)を整える講座セーフ&バウンダリー講座を行っています。

知識だけではなく、日常で「使える感覚」として身につけていくことで、

あなた本来の心地よい人間関係と、安心できる生き方が始まっていきます。

 

 

受講生の声はこちらからpart1

 

受講生の声はこちらからpart2

自己フィールドを整える方法を知っておきましょう。

 

元気に見えるあの人も、実は…

 

あなたのまわりに、

「いつも元気だなぁ」
「どうしてあんなにエネルギーに満ちているんだろう…」

そう思う人はいませんか?

 

でも、その人はスーパーマンでも、スーパーウーマンでもなくて――

自分を整える方法を、ちゃんと持っている人なのかもしれません。

 

手を使えば、手は疲れます。
誰かの痛みに触れれば、自分の心にもその痛みが響きます。
全身全霊で向き合えば、どんなに元気な人でも、
エネルギーは少しずつ消耗していくのです。

 

それでも元気でいられる人がいるとしたら、
それは、大切な存在と支え合いながら、
自然に“癒し合っている”からかもしれません。

 

もし、今あなたに
そうした存在がいなくても――

あなた自身を満たす方法は、きっと見つけられます。

 

たとえば、
感動する映画を見ること。
心に響く一冊の本を読むこと。
大好きなペットを抱きしめること。
お気に入りの音楽に身をゆだねること。
湯船にゆっくり浸かって深呼吸すること。

 

それは、
あなたの「明日」を良い状態に保つために、欠かせない時間です。

 

あなたが、あなたのために今日、してあげられることは何でしょうか?

 

 

小さなことでも、あなたの心がふっと緩むことを、どうか大切にしてください。


 

Office Isでは「境界線」を整えるカウンセリング/コーチングも行っています。

お気軽にお問合せ下さい。

「これで人づきあいは楽になる」 明日香出版社