大きな代償を伴う自己満足

第49回

 「怒り」は代償を伴う自己満足

 

 

6月に入りましたね

コロナウイルスの影響も少しは落ち着いてきたように思います

いかがお過ごしでしょうか?

 

コロナウイルスに対する、国会答弁や、各県の知事の方針、対策室の方たちの考え方や政策がニュース等で取り立たされる度、意見の違いでお互いを激しく

批判したり、責めたりする場面も今回たくさん目にすることがありました。

 

それぞれの方が、未知の領域のウイルスの改善を行う上で、データー、資料、他国での結果を元にし、意見している様子を拝見しました。

中には理解できることもあれば、必要以上に相手を罵ったり、

一方的な批判があり、

それが正しいか、正しくないか、誰にも分からない中で混乱するのは

仕方がないとは思いましたが、

感情的になる姿は

あまり心地の良いものではありませんでした。

 

間違いと思うことは人それぞれで

正しいと思うことも人それぞれ

 

誰かを責める、非難する、罵倒するで、

改善されることは無いように思います。

 

自分が正しいと思っていたことが

もし、誰かの基準に合わせられて、

間違いだと責められ非難され、

罵倒されて快く改善する意欲が出るのか?

 

 

しかしこられは、私達の身近な周りでも起こっているのだと思います。

 

 

第 49回  「怒り」は代償を伴う自己満足

(イタリアのことわざ)

 

怒りが生み出される場面は様々です。

人によって違います。

 

小さなストレスが積み重なった「怒り」もあれば

瞬発的な「怒り」もあると思います。

 

怒りがどのように与えているのか?

改めて考えてみたいと思います。

 

§§

 

「やらされている」感より「やりたいからやっている」感へ

 

Aさん「仕事がたくさんあるのですが、周りの人は助けてくれません。

私だけが山のような書類を抱えていて、ストレスが溜っています。」

 

Bさん「なら、やらなければ良いのではないでしょうか?」

 

Aさん「それは難しいですよ、お客様も困りますから。」

 

Bさん「でも、やりたくないのでしょう?ストレスが溜るばかりで、仕事の代わりはいますが、あなたの代わりは誰もできませんよ」

 

Aさん「そうは言っても・・・誰もしないので、

仕方ないですよ・・・。」

 

Bさん「では、あなたは誰もしないので、「やりたい」というのですね?」

 

Aさん「いや、「やりたい」わけではありません、仕方なくです。」

 

Bさん「仕方なくということなら、「やりたくない」のですね?

ではやめた方がいいですよ」

 

Aさん「いや、でも、誰かがやらないといけないので」

 

Bさん「ん?それは誰が決めたのですか?誰かにやらされているのですか?」

 

Aさん「それは私の仕事なので・・これをやらなければ、私は信用を無くしますし、何より会社からお給料をもらっているので・・・やらされているというわけではなく、仕事なので、やっています。」

 

Bさん「ということは、あなたが決めた仕事であなたがやっているのですね?」

 

Aさん「そうですが、押し付けられる仕事はやりたくないのです。周りの人がもっとやるべきだと思いますから。」

 

Bさん「なら、やっぱりやらなくて良いのではないですか?」

 

Aさん「でも、これをやらなければ、周りの人と同じになってしまいますよね、それはもっと嫌ですね」

 

Bさん「それはあなたが自分で選んでやっているということで、仕方なくではなく、自分で行うことを選択しているということですよね?」

 

 

★★

 

大ベストセラー「嫌われる勇気」を読まれた方は

ご存じだと思います

 

この会話はアドラー心理学でいう「自己決定性」を表した会話です。

 

§§

 

今の状況(環境)を誰かのせいにしたいと思っても

結局は全て自分で決めたことが

引き起こしているのです。

 

自分の部屋に置いてある物、

持ち物、それら全て自分が選んだ物です。

 

あなたが選んだからそこにある、

つまりあなたの責任で存在しています。

 

日本で住んでいる限り

奴隷として存在している人はいないと思います。

 

もし、無理矢理誰かにもらった物が

あったとしても、

嫌ならそれを捨てることができます。

つまり捨てない選択をしています。

 

「人にNOを言えない」、と思っても

それを選択しているのはあなたの責任です。

 

人生においての考え方にも同じことが言えます。

 

例えば、これを読んでいる方も

過去、

「我慢させられた」

「強制的にさせられた」

という経験があるかもしれません。

 

誰かの責任にすることを他責

自分の責任にすることを自責と言います。

 

上手くいかないことを

他人の責任にしても何の進歩もありません。

 

自分でできることに目を向け

動きだすことで

自分の道を切り開くことができます。

 

★★

 

心理学を学び

他責から自責に切り替えた方々の感想です。

 

姉妹で姉だけが大学へ行けて、自分は大学に行かせてもらえなかった。

60代女性

 

両親に対して大学に行かせてもらえなかったことを

30年以上も根にもっていました。

無いことばかりに目を向けていました。

しかし気づいたのは、

就職先で温厚な主人と出会ったこと、

子供達に恵まれ、孫も生まれました。

これはかけがえのないものです。

大学に行っていたら

主人には出会ってなかったと思いますし、

今の家族はいないと思います。

 

 

親の介護を姉弟がいるのに自分だけが面倒を見た。

(押し付けられた)

50代女性

 

介護をしていた時は相当に大変でした。

気丈な母だったので、他の姉弟は嫌がり

手伝ってくれませんでした。

正直怒りでいっぱいでした。

しかし、振り返ってみると

母が無くなる直前、

厳しかった母が、我に返った時

涙しながら、

「ありがとう」を言ってくれたことを思い出しました。

 

面倒見れたことは私の力になっています。

そしてその姿を見た娘たちにも良い影響を与えたようです。

 

金銭的な理由で夢を諦めかけていた。

20代男性

 

金銭的理由での海外留学を断念したくはなくかったので、

クラウドファウンデイングを立ち上げ

留学資金を得ました。自分で道を切り開けるという経験をしました。

反対していた両親も今では応援してくれています。

 

課長にいつも残業を頼まれる、それは私だけです。

30代女性

 

都合よく使われているようでとても嫌でした。

しかし、もし、私が課長の立場なら

頼りになる人にお願いすると思いました。

私は、本当は

「頼りにされる人になりたい」と心で思っていたことにも気づき

仕事が楽しく、やりがいを持ち働いています。

 

 

人はいる環境で、

時には

逃げることが出来ず、避けれず、

選べない状況があります。

 

しかし

自分の考え方や捉え方の視野を広げると

苦しかった状態から抜け出し

自分のコントロールできる「軸」で生きる

人生に変化させることができます。

 

他人を変えるのは難しいですし、

相当なストレスもかかります、

しかし自分を変化させることは意外に簡単なのです。

 

育った環境や遺伝や資質に支配され

人生が決められてしまうという

「決定論」より

「どんな状況でも自分で人生を変えていける」

という考え方の方が

はるかに人生で価値があります。

 

§§

 

福沢諭吉がいう「悪」。

 

福沢諭吉は学問のすすめの中で

人が絶対やってはいけない「悪」について書いています。

 

それは 

「人の心の中に発生する

「他人を不幸に陥れよう」とする」気持ち

 

「怨望」

と言っています。

 「怨望」とは

怒りを含んだ

恨み、妬み、羨みを表しています。

 

この考え方は偏った他責

積み重なってきた結果です。

 

この怨望、

脳科学的にも、

人に与える悪影響を証明しています。

 

抑えられない怒り、

恨んだり、

妬んだり、

羨んだりしている時、

 

「脳」「コルチゾール」という

ストレス対応ホルモンを出し続けています。

 

日々このような状態にいると

免疫力が下がってくるので

頭痛、腰痛、ぜんそく、耳鳴りや風邪など

病気にもかかりやすくなります。

 

 

そして、

人の脳の特質で

「脳」は

一人称や二人称、三人称の区別がつきません。

 

SNSなどの誹謗中傷問題もそうですが

 

誰かを誹謗中傷したら

それはいずれ、全て一人称(自分自身)に

ダメージを与えているということになります。

 

要するに

他の人を誹謗中傷したとしても

 

自分で自分を中傷し、

 

ストレスホルモンコルチゾールを出し続け、

 

自分の身体の免疫力を低下させ、

 

病気にさせるという悪循環を

 

行っていることになります。

 

なので、

誰かに「誹謗中傷」を受けても

無視し続ければ

いずれは、

元の本人に必ず戻ることになります。

 

 

怒りに固執することは

燃える薪を相手に投げつけようとして

自分の手で強く握っているようなものだ。

結局、それによって大きな火傷を負うのは

あなた自身なのである。

-ブッタの言葉-

 

 

ただ、大変残念なのは、

そのエネルギーが

近くにいる人に伝染することです。

 

母親ならダイレクトに子供に

上司なら部下に

友人から友人に

影響を与えていきます。

 

 

人の言っていることに

全く左右されない人なら大丈夫ですが、

何かしら影響がある方は、

人の誹謗中傷、妬み、恨み、陰口、悪口を

多く口にする人とは距離をおくことをおすすめします。

(実際、この悪影響は心理学講座で体験することができます。)

 

 

「他山の石」

 

この言葉、知っている方も多いと思います。

 

悪質な石でも磨くには役に立つという意味です。

 

「他人の誤った行動や、言葉、態度、ミスを

完璧に無かったことにするのではなく

自らの学びとして、

自分の中に取り入れ、参考にしていきなさい。」

という意味です。

 

納得がいかない周りの人達の行動は、

自分の知恵や道徳を磨く材料として生きなさい。

それが良い人格を築きあげていくのだと

と、伝えています。

 

§§

 

今月のおすすめ本

 

「思うままに生きる」

著 日野原重明

 

怨望とはかけ離れた長寿の人達の功績

 

~人生100年時代~

世界の長寿化が進み

先進国では2007年生まれの2人に1人が

100歳を超えて生きると予測されています。

(wikipedia)

 

環境もとても大切な要因ですが、

どのような想いを「心」に留め日々を過ごすかは

5年後、10年後に大きく影響していきます。

 

不平不満の影響を与えるより

自分を含め、周りの人達にも

良い影響を残していくというのは

素晴らしい生き方だと思います。

 

まさしく自分の軸を生き

沢山の方に良い影響を与えた

ほぼ100歳近く迄活躍された方々を

日野原重明先生が本にされています。

 

先人たちの生き方から

素敵なヒントをくれるかもしれませんね

 

地が固まるこの雨の6月

自分の基本となる考え方を

より固めてみる月にしても良いかもしれませんね。

 

とは言ってもなかなか一人では

考え方を変化させるのは難しい・・

と思っている方に向けて

 

オフィスイズから

 大切なお知らせです

 

新型コロナウイルスの影響で、

「新しい日常」が唱えられている中

今までとは違う

「日常」を過ごされている方も多いと思います。

 

そんな時、

不安にならず、

自分が望むことや大切にしていることを軸にすることで

見えてくる未来があると思います。

 

しかし

自分一人だけで、

自分の意識化だけで、

不安や悩みからの解放

前向きな考え方への移行は

ハードルが高いかもしれません。

 

 

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非・日常に不安を感じていたり、

相談したくても、

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この6月も素敵な時間をお過ごしください。

いつもご覧頂きありがとうございます。

 

今月のおすすめ本

 

思うままに生きる

 

本書では、100歳および100歳近くまで生きた日本の著名人たちの、こころに響く言葉の数々を紹介しました。

 作家、実業家、女優、プロ野球元監督、漫画家、彫刻家、政治家、詩人、バイオリニスト……日本において、長寿を保って活躍した方々からみた、仕事とは、生きがいとは、夫婦とは、人生とは……

 多くの経験を経たのちに語られた言葉のなかに、あなたの行く先を照らす言葉がきっとみつかるはずです。どうぞ、探してみてください。